110821 大雪と石狩の自然を守る会・日本森林生態系保護ネットワーク(CONFE JAPAN)主催 大雪山音更沢森林調査[Next][Back][Homeに戻る] 大雪山講座「ひぐま大学」の特別講座でこの森林伐採状況調査に参加しました。大雪山の森林の中に入ることはこのような機会でないとできるものではなく興味深く参加しました。 この樹木伐採は2009年度の林野庁北海道森林管理局が実施した2009年度国有林伐採事業で行われたものです。
・・・事業内容・・・は次の通りです。
区域:石狩川源流部(三角沢、音更沢、天幕沢)大雪山の核心部とも言える緑岳・高根ヶ原・音更山の山麓部(左の地図で確認ください)130ha
伐採量:森林管理局の収穫実行簿による伐採量は合計7903本
伐採内容:天然林受光伐、一部人工林の保育伐
今回の調査域:北海道森林管理局の伐採事業の中の音更沢の一区画、153本を伐採したとされる2294林班ね小班の作業区域8.94haを30数名が11の班に分かれこの区域をほぼくまなく調査しました。
この調査のきっかけ:石狩川源流部で凄まじい量の樹木が伐採、搬出されている事を憂えた一上川町民の訴えを受けたCONFE JAPANが2009年に調査して発覚したものです
これまでの経緯:調査は過去にはCONFE JAPANが2009年〜2010年に3回行い林野庁に抗議、2010年10月には北海道森林管理局と合同調査を行いこれに基づき違法過伐採の嫌疑について質問を行ってきた。
今調査は:上記の自然保護の2つの団体が広く市民に参加を呼びかけ、一定の区域の伐採数を大人数で徹底的に調査する趣旨のものでした。また、大雪山講座「ひぐま大学」の特別講座としても組み込まれていました。
調査結果:結果は上川町民の訴えた通りの驚くべきものでした。伐採本数は森林管理局の収穫実行簿153本に対しその約4.5倍の697本でした。 この結果をこの事業全体に単純に当てはめると実行簿の伐採合計量7903本に対し36000本、過剰伐採本数は約28000本となります。 この両者の大きなくい違いをいったいどう理解したらよいのであろうか? 国有林は林野庁が管理していますが突き詰めれば国民の財産です。しかも伐採されたのは大雪山国立公園の中、大雪山の麓(何故か第2種特別区域指定で伐採可能地域になっている)の大口径の天然林、伐採帳簿の4倍以上が実際に切られた疑いがもたれる。 伐採は入札業者が行っているのだが、過剰伐採の事実は森林管理局が知らないはずはなく、帳簿外の2万数千本の過剰伐採樹の収益は何処の懐に入ったのだろうか?何か不正が行われてるように思える。 伐採された主な樹木は直径30cm〜50cmのトドマツと50cm〜75cmのアカエゾマツ。伐採後は大径針葉樹木はほぼなくなり、笹に被われた10cm〜20cmの針葉樹が残るのみの空が明るい貧弱な森になってしまった。 CONFE JAPANの事務局長市川守弘氏はは確かな証拠であるこの結果に基づき林野庁を追及してゆくと述べていました。 今回の調査から、高原温泉に向かう林道沿いの3つの沢に生えていた樹齢50年〜100年、直径30〜80cmのトドマツとアカエゾマツの30000本程がことごとく伐採され、保水力の低下した貧弱な森林になってしまったのでないかと危惧されます。